コーヒー豆の焙煎「焙煎の歴史」
さて、では、いったい誰が、いつ、なぜ、珈琲の種(豆)に熱を加えて(焙煎して)飲もうと考えたのでしょう。
元々は珈琲の生豆を煎じたりして食べたり、飲んだりしていたものです。それが何時からか、焙煎して湯を通して(煮込んで)飲むようになります。いつからでしょう。
実は私も正確には知りません。また、いろいろな文献を探し読んでも正確な記録を見つけることは出来ませんでした。(もし正確な文献を知っていれば教えてください)
で、今回は私が聞いた話です。ですから、あまり真剣ではなく気軽に聞いてください。
2つの噂話を聞きました。でも飲み屋で酔っ払いから聞いたようなものではなく、珈琲豆の焙煎に携わっているプロの大先輩達のまじめな話ですから、まったくの作り話ではないと信じています。
1つは、イスラム僧の話です。十字軍の遠征の時に、兵士にイスラム僧が大事に保管していた珈琲の生豆を持ち去られそうになり、慌てた僧が暖炉に生豆を放り投げた時に、とても香ばしい香りがしたので、焼けた豆を拾い、砕いて湯を入れて飲むとおいしかった。という話です。
実際、コーヒーがヨーロッパに広がるのは十字軍の遠征後です。当初は「異教徒の悪魔の黒い飲み物」と敬遠する人も多かったそうですが、あっと言う間に広がりました。
また、珈琲の生豆はイスラムの高僧の間で煎じて飲むと眠くならない薬として仲間内だけで秘密にされていたというのを聞いたことがあります。イスラム教では夜通しお祈りをする儀式もあり、偉い僧が途中で寝てしまわないように使われたそうです。
また、今でも世界各地での飲まれるトルココーヒーと言われるコーヒーは、砕いたコーヒー粉を入れたカップにお湯を注ぐ方法で飲まれます。
2つ目は、森の火事の話です。エチオピアなどでは、珈琲の樹は自然に育成したものが多くあり、育つと5m以上になります。低い場所の実は取ることができますが、2m以上に生った実は取れないまま成長します。
ある時、森が火事になり、実が完熟して落ちた豆や落ちる直前の豆が焼けて香ばしい香りがしたので、持って帰り‥‥
という2つの話です。
他にも、煎じる時にこぼれ落ちた豆が焼けて‥など、いくつか同じような話を聞いたことがありますが、私は、この2つが説得力があるように思えます。