シングルオリジンのコーヒー豆とは
シングルオリジンのコーヒー豆とは、簡単に言うと「単一農園の単一品種のコーヒー豆を決まった精製法で生産したコーヒー豆」という意味になります。
以前は、ブラジル産コーヒー、インドネシア産コーヒー‥‥といった生産国別で流通していたコーヒー豆ですが、最近では、より細かく正確な分類が必要になってきました。例えば、日本産のミカンと言っても生産県や種類は様々です。さらに和歌山県産のミカンと言っても生産地により価格や評価は異なりますし、最近では〇〇農園産のミカンと指定されることが増えました。
コーヒー豆も同じく、ブラジル産という大雑把な分類ではなく、〇〇農園産の△△種のコーヒー豆を、同じ精製法(実から豆を取り出し乾燥、選別出荷する工程)で出荷されたものを求める傾向が強くなってきました。これは消費者が、コーヒーについてもより厳しい目で品質をチェックし、満足のいく香味を追求しているからだと思います。生産者も、よりおいしいコーヒーを生産し、収穫し精製しようと努力してきています。
各種のコンクールで高得点を得たコーヒー豆はより高額で取引されており、消費者のニーズに応えるものとなってきています。どの農園で栽培・収穫され精製されたが明確に表記できるコーヒー豆がシングルオリジンとされます。しかし一度高い評価を得ても農作物ですから、自然環境や生産方法の変更で評価が一変することもあります。生産者としても消費者の期待に応える不断の努力を求められるのもシングルオリジンのコーヒー豆の宿命ともいえるでしょう。