アラビカ種(coffea arabica)
三大品種(二大品種とされることも)のうち、一番生産量の多い品種。
全珈琲の生産量の7割近くを占めます。
そして、香味が優れているため、
多くの珈琲専門店や焙煎店で扱われているのは、
ほとんどがアラビカ種だけになります。
当店でも30種類のうち、29種類がアラビカ種です。
アラビカ種は更に生産品種(亜種)がたくさんあり、
ティピカ種、ブルボン種、ムンドノーボ種、カトゥアイ種‥‥と、
突然変異や掛け合せ、品種改良で多くの品種に分けられます。
エチオピアが原産国で、アラビア(イエメンなど)で広がったため、
アラビカの名前が付けられています。
しかし、品種的に弱く、病気や害虫、気象変化によって、
大きな被害を受けることが多くなります。
紅茶で有名なセイロン(スリランカ)では、
かつて、アラビカ種の珈琲の生産が盛んでしたが、
サビ病が蔓延し、病気をさけるため、樹を焼き払ったこともあり、絶滅してしまいました。
その後、紅茶の生産に切り替えて、
今のような紅茶の生産国になりました。
昨年から今年にかけて、ハワイではベリーボーラーという害虫により、
珈琲の生産量が激減しています。
中米でもサビ病が広がり、
来年度の生産が大きく落ち込むことになります。
また、アラビカ種は、高温多湿に弱く、
標高1000m以上の高地での栽培に適しているため、
栽培も運搬もたいへんです。
それでも、アラビカ種の栽培が盛んなのは、
おいしい珈琲を求める消費者が増え続けているためです。
新興国の中国やブラジル、インドなどで珈琲の消費が増え、
その中でおいしい珈琲の需要が高まっており、
世界最大の珈琲生産国でもあるブラジルでは、
生産より需要が多くなっています。